機械化が進む現代でも、手間暇惜しまず、
細やかな手作業を丁寧に行い
老舗伝統の鯖鮓をつくり上げています。

丁寧に行い老舗伝統の鯖鮓をつくり上げています。

廻船問屋の船子たちが食べていた、お弁当から生まれた吾左衛門鮓。
その伝統を再現し、大切に受け継ぐため素材の吟味にこだわり、つねに製法を見直しながら研究と改良を積み重ねてまいりました。
そして、到達できた今日の味には、たくさんの想いが秘められています。

門外不出、秘伝の昆布炊き

吾左衛門鮓になくてはならない昆布は、最高級品とされる北海道・道南産の真昆布を使っています。同じ北海道でも地域によって味は異なり、道南産には上品な甘みがあります。
仕込みでは一枚一枚の品質を確かめて肉厚なものだけを選別し、熟練した職人が大釜で丹念に炊き上げています。その味つけの調合は限られた者だけしか知らされず、門外不出となっております。
まろやかで澄んだ風味に仕上がった真昆布は、吾左衛門鮓の酢飯やネタとよく合い、いっそう味わいを深めてくれます。

味と香りが違う、鳥取県産すし米

鮓にとってシャリは命ともいえるもの。「シャリ6割ネタ4割」ともいわれ、シンプルに美味しさが出ます。吾左衛門鮓もシャリに徹底的にこだわり、すし米を全国から探し求めました。その結果たどりついたのは、身近な地元の鳥取県産でした。
日野川下流に広がる米子平野から中国山地にかけては、朝夕と昼間に寒暖差があり、シャリに最適なお米が生産されています。
良質なものは味、香り、つや、粒ともに申し分ないうえ、酢飯に大切なほどよい粘り、弾力性、酢になじみやすいなどの特徴も備えています。

駅弁の伝統を大切にした酢飯

すし米の炊き上げは、熟練した職人だけに許された仕事です。季節や天候、その日の温度と湿度によって水分調整をしながら、丁寧にふっくらと炊き上げます。その後、すぐに特製ブレンド酢・天然塩・砂糖を加えて艶を出し、しっかりと味をなじませます。
酢飯で追求したのは、酸味、塩味、甘みの絶妙なバランスと深みのあるコク。上にのせる肉厚なネタの旨みに負けないよう少し甘みをもたせ、酢飯だけでも美味しく感じられるように仕上げています。
吾左衛門鮓は駅弁としても親しまれています。汽車の旅を楽しむお客様のために、手でつまんでも崩れず、かつ口の中ではほどけやすい酢飯づくりに努めています。

長年にわたる研究から生まれた製法

吾左衛門鮓は、鮮度を保つため製造直後にマイナス60度で急速凍結し、出荷する直前に解凍を行っています。長年にわたる研究から、この解凍時にグルタミン酸やアミノ酸などの旨みが増えることが判りました。
そのため鮓の表面と中心部の温度差を少なくして、ゆっくり時間をかける「熟成解凍」をほどこしています。この特許製法により甘みがあって酸っぱさにかどのない、まろやかな美味しさが生まれるのです。
公的機関の「鳥取県産業技術センター」による調査でも、製造直後よりも「熟成解凍」を行ったあとに、旨み成分がアップしていることが証明されました。
詳しい調査結果は、こちらをクリックして頂くとご覧になれます。

「鮓」の文字に込めた想い

元来、「すし」の語源は、酸っぱいという意味の「酸し」という言葉に由来するとされています。その後、古くは「なれずし」「箱ずし」などのことを表して、「鮓」「鮨」の文字が使われるようになり、奈良時代の正倉院文庫などにも見ることができます。
江戸時代のお弁当に由来する吾左衛門鮓には、古来の伝統を受け継いで「鮓」という漢字を当てました。これからも、時代とともに変化していく貴重な日本の文化を大切に守りたいという想いを込めております。